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2018年12月26日 (水)

言語発展論(連載第18回)

第3部 新・世界言語地図

一 言語分類の刷新

 言語の発展という問題をめぐって、第1部では「通則的概観」と題し、自然言語の発生から計画言語の創案に至る人類言語一般の発展過程を概観した。次いで第2部では「英語発展史」と題し、現時点において事実上の世界語(世界公用語)の地位にある英語の発展過程を概観した。
 これらに続く第3部では、「新・世界言語地図」と題して、現存する世界の自然言語(民族言語)を新たな視点から分類し直し、その内的な関連性を検証していく。この作業を通じて、現存民族言語の新たな言語地図を作成し、最終的な目標である真に中立的な世界語の創案につなげる契機を発見してみたい。
 その際の大きな視点として、「語環」(inter-linguistic area)という概念を用いる。「語環」とは、伝統的な言語学では「言語連合」(linguistic area)と呼ばれてきた包括的な類縁言語群の概念をさらに進化させた包摂的概念である。
 両概念の違いは微妙であるが、「言語連合」が共通祖語の言語遺伝的な同定を条件とする「語族」よりも広く、共通の文法的・音韻的特徴を指標として言語のまとまりを観念しようとするあまり、その設定が曖昧で、安定しない嫌いがある。 
 そこで、「語環」の設定に際しては、言語遺伝性についても改めて考慮に入れつつ、文法的・音韻的特徴に加えて、各言語使用民族の遺伝人類学的系譜関係から、地理学的・地政学的な事情に至るまで、種々の要素が総合的に比較考慮される。
 このような包摂的言語群としての「語環」の内部に通常は複数の語族が編入されるが、単独の語族で一個の「語環」を形成するケース、従来は「語族」と認識されてきたが「語環」として把握したほうがよいケースもある。また、例外としてどの「語環」にも属しない完全な独立語も存在する。

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