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2018年4月14日 (土)

仮想通貨の深層

 広い意味でのキャッシュレス化の歴史を大きく見ると、クレジット化に始まり、電子マネーから仮想通貨へと進んできている。この過程というのは、その順番で貨幣経済が高度化していく過程でもある。
 クレジット段階では与信による後払いという形で貨幣を交換し合う形がなお残されている。電子マネーは真の意味のマネーではなく、商品券に近いが、貨幣を交換し合う決裁過程が電子化される点では、貨幣というモノを交換し合う過程が抽象化されている。
 最後の仮想通貨は、「通貨」として国の信用が裏づけされていない限りではまだ電子商品券の域を出ていないとも言えるが、今後取引社会の慣習として定着するにつれ、電子化されたマネー―真の意味での電子マネー―となる可能性があり、国際的には現実にそうなりつつある。
 ここに至ると、もはや硬貨なり紙幣なりの貨幣というモノを直接やり取りするという物々交換の痕跡を残した過程は全く抜け落ち、電子化された抽象的な交換価値だけがやり取りされることになる。
 それは貨幣経済の究極的な姿とも言える。貨幣経済が高度化すると、貨幣という目に見えるモノが消失してしまうという逆説的事態である。
 しかし、それによって貨幣経済そのものが消失するわけではなく、目に見えない交換価値そのものが貨幣経済の化け物として経済を支配するようになるというホラー的世界が待っているのである。

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