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2017年8月 9日 (水)

アフリカ黒人の軌跡(連載第7回)

二 西アフリカ人の商業文明

二つの大河流域
 ヌビア人の王国が衰亡した後、アフリカ黒人の活動中心は西アフリカへ遷移していくが、この地域ではニジェール河とコンゴ河という二つの大河の流域に最初の文化圏が発展していく。
 このうち、ニジェール河流域では紀元前3000年紀から農耕が始まっているが、ナイル河流域のような文明圏に発展することはなかった。その後、紀元前5世紀頃から紀元後にかけてナイジェリア中央高原でノク文化と呼ばれる鉄器文化が栄える。
 この文化の担い手は、その代表的な生産品である土偶の人物特徴からすると、明らかにアフリカ黒人であるが、民族籍は特定されていない。ノク文化遺跡からは公共建造物も発見されているが、全体として古拙な特徴を残しており、文字体系も備えた大文明圏に発展することはなかった。
 やがて、この流域ではバントゥー人とも同系のニジェール・コンゴ語族に属するマンデ語派諸族の首長制村落群が出現するが、その中からガーナが優勢化し、早ければ紀元4世紀には王国を形成したとされる。ガーナ王国は後に隊商中継貿易で巨富を築くことになる。
 もう一つのコンゴ河流域は熱帯雨林地帯であり、長期にわたり、狩猟採集社会が維持された。その担い手民族は不詳だが、バントゥー人大移動で移住してきたバントゥー系民族が鉄器と農耕をもたらすことで、最初の文化的発展の土台が築かれたと推定される。
 この流域の民族は交易ネットワークでつながるバントゥー系で統一されていったが、政治的な王国形成はニジェール流域よりやや遅れ、14世紀のコンゴ王国の成立を待つ必要があった。

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