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2017年3月31日 (金)

現代の八甲田山事件

 先月末、那須で雪中訓練中の高校生らが雪崩で集団死した事件は、100年以上前、帝国陸軍兵士らが青森の八甲田山で雪中行軍訓練中に集団遭難死した八甲田山事件を思い起こさせた。今回の事件も、日本の登山史に残る悲劇となるだろう。
 今回の事件は、学校部活動を主体とする日本式競技者育成の危うさを改めて浮き彫りにした。この方式は保護者にとっては子どもに無料で競技を習得させられるメリットもある反面、厳正なライセンスを持った指導者による体系的な責任指導がなされないため、半素人指導者による安全配慮に欠けた指導により生徒らが生命・身体を損なう危険性と隣り合わせである。
 さらに言えば、既に無謀さが指摘されている今回の雪中強行訓練には、かの八甲田山事件でも見られたまさしく日本軍流の精神論先行の共通根的発想が指導者の胸中にあったのではないかと推測させる。学校体育の延長的な部活動ではありがちなことである。
 そろそろ学校至上の競技者育成法式を改め、より合理主義的な責任指導体制が整備された民間競技クラブ主体の競技者育成方式に改める時ではないか。そのためには学校部活動の全廃という大胆な改革策が必要だと思われる。

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