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2017年1月25日 (水)

オセアニア―世界の縮図(連載第12回)

第二部 現況~未来

(1)オセアニアの地政情勢
 第一部でも述べたように、現在オセアニアの地理的区分として教科書的・事典的に引き継がれているポリネシア・メラネシア・ミクロネシアの三分類は、19世紀にフランスの海軍提督ジュール・デュモン・デュルヴィルが提唱した古典的な分類である。
 しかし、この分類ではオセアニアの海洋島嶼部しかカバーされず、大陸的なオーストラリアは埒外となるし、メラネシアのように住民の肌色にのみ着目した分類も学問的とは言い難いものであった。
 現在のオセアニアの地政情勢を考慮に入れて、再分類し直すならば、独立国・準独立国・残留海外領土の三つ(環礁を付加すれば四つ)に分類する方が妥当であろう。このような三区分に従って、個々に見ていくと次のようになる。

○独立国
最大国オーストラリアを筆頭に、パプアニューギニア、フィジー、キリバス、ニュージーランド、ソロモン諸島、トンガ、ツバル、バヌアツ、サモア(以上、すべて英連邦加盟)

○準独立国
クック諸島、ニウエ(以上、ニュージーランドとの自由連合)、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島、パラオ(以上、アメリカとの自由連合)

○残留海外領土
米領サモア、グアム、北マリアナ諸島、ハワイ(以上、アメリカ領土)、ニューカレドニア、仏領ポリネシア、ウォリス‐フツナ(以上、フランス領土)、ピトケアン諸島(イギリス領土)、ココス諸島、クリスマス島、ノーフォーク島(以上、オーストラリア領土)、トケラウ諸島(ニュージーランド領土)、イースター島(チリ領土)、パプア及び西パプア(インドネシア領土)

△環礁
ウェーク環礁、ジョンストン環礁、ミッドウェー環礁(以上、いずれもアメリカ領土)

 こうしてみると、独立国は現在、儀礼的・名目的な連合体ながら英連邦にそろって加盟し親英路線を採っている。準独立国はニュージーランドまたはアメリカとの自由連合の形で両国の傘下にある。
 残留海外領土では米・仏領土が大半を占め、中でもアメリカが環礁を含め圧倒的であるが、オセアニア盟主格のオーストラリアとそれに次ぐニュージーランドも部分的に域内海外領土を保持するほか、東からインドネシアが、西からはチリもせり出している形である。

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