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2016年9月11日 (日)

STAP再評価

 不正問題で揺れ、自殺者まで出し、日本では否定されたSTAP細胞だが、海外では近時、再評価の動きがあるようだ。例えば、米国のセントルイス・ワシントン大学が酸性浴で癌細胞を初期化する実験に成功し、報告論文の中で、問題となった理研論文も引用しているという。
 ただし、これは理研論文とは異なる手法による実験であり、理研と同じ手法で再現実験したドイツのハイデルベルク大学は失敗しているとのことで、STAP理論そのものが認められたわけではない。
 とはいえ、セントルイス・ワシントン大学の研究は「物理的刺激による体細胞の初期化」というSTAP理論のユニークな「発想」自体は、生物学上荒唐無稽なものではなかったことを示すものである。
 筆者自身、以前の記事で、「門外漢にとってなお気になるのは、STAP細胞なるものは生物学の理論上あり得ないものなのか、それとも理論上はあり得るが、実験室で作成する技術がいまだ開発されていないのか、という点である。」と記したところだが、これへの回答は海外から出始めているようである。
 海外研究者は不正問題の部外者であり、局外中立的に改めてSTAP理論を再評価し、そのコンセプトを自由に検証しやすいのかもしれない。しかし科学の余白を埋める探求は不正問題と切り離して行なわれるべきものであることは、国内外を問わない。日本の研究者も、後に続くことを期待したい。

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