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2011年11月29日 (火)

〈反差別〉練習帳(連載第23回)

実践編

レッスン3:人種/民族差別

例題1:
[a] あなたの子どもが、結婚したい相手として外国籍のアフリカ人(黒人)を連れてきた。素性や人柄などの一般的な条件は全く申し分ない。あなたは結婚に賛成するか。

(1)賛成する
(2)賛成しない

[b] [a]の事例で、あなたの子どもが連れてきたのが、日本国籍を持つ朝鮮人(北朝鮮出自)であったとしたらどうか。

(1)賛成する
(2)賛成しない

 半世紀前であればともかく、現在では多くの方が賛成すると信じたい。
 にもかかわらず、素性も人柄も申し分ない義理の子ができることに同意できないとしたら、その理由は何だろうか。
 [a]の事例で「黒人を一族に加えたくない」ということであれば、肌の色を理由とする人種差別になるし、[b]の事例で「朝鮮人を一族に加えたくない」ということであれば、それは朝鮮人という民族性を理由とする民族差別となる。
 あるいは、[a]の事例では「黒人であること」よりも、「外国人であること」が問題だというのであれば、それは次のレッスン4で取り上げる外国人差別に相当する。また、[b]の事例では「朝鮮人であること」よりも「日本と国交のない北朝鮮出自であること」が問題だというなら、それは子どもたちの結婚とは関係のない政治的理由に仮託した転嫁的差別となるだろう。
 とはいえ、現在の日本民法では結婚するのに親の同意は必要とされない。従って、あなたの子どもたちが日本で結婚するのであれば、あなたが賛成しようがしまいが、結婚は有効に成立するから、差別が直接に表面化することはないのだが、どうしても賛成できないあなたが子ども夫婦を親の家に来させないなど、「勘当」のような慣習上の制裁を科せば、二人の結婚は親であるあなたから事実上否定されたに等しく、差別が表面化してくることになるのである。

例題2:
あなたが外国へ留学したとして、留学先で「イエローモンキー」などと人種差別的な言葉でなじられた。どう対応するか。

(1)抗議する
(2)甘受する

 理論編でも指摘したとおり、人種差別という問題は日本社会ではなかなか表面化しにくいのだが、日本人がひとたび海外へ出れば他人事ではなくなってくる。
 特に欧米では、いまだに白人優越主義のような誤った人種偏見を抱いている人やそのグループが伏在していると見られ、例題ほど露骨でなくとも、あなた自身が人種差別的な何らかの嫌がらせ(陰口のようなものも含めて)を受ける恐れは十分にあるのだ。そうした場合、どう対応すべきだろうか。
 まずは、決然と抗議したい。あなたをイエローモンキーと呼んだのがたとえあなたの指導教授だったとしても。抗議といっても、激するのでなく、冷静に「私の聞き間違いでなければ、あなたは今、私のことをイエローモンキーとお呼びになりましたが、あなたは日本へ行って、日本人からホワイトピッグ(侮辱した相手が黒人であれば、ニガー)と呼ばれたいのですか。」と反問すればよいだけだ。
 そうせずに、あいまいな態度で人種差別的侮辱を甘受してしまうのは、一種の自己差別的行為であり、相手の人種偏見に図らずも加担してしまうことになるだろう。
 なお、単に言葉で侮辱されるにとどまらないより手の込んだ差別を受けたと感じた場合は、信頼できる現地の知人や現地をよく知る国内の知人や専門家に対応手段を教えてもらうとよいだろう。

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